未払費用とは?毎月少しずつ発生する「期間分の後払い」をやさしく解説
「今月の利益、なんだか良すぎる気がする」と感じたときに
家賃や保守料、借入の利息など、月をまたいで使ったサービスがあるのに、支払いはまだ先。請求も来ていない。そのまま放っておくと、今月の費用が実際より少なく見えて、利益が大きく出すぎてしまう——ひとりで経理を回していると、こういう「ズレ」が気になりますよね。
ここで出てくるのが、未払費用です。
未払費用とは?ひとことで言うと
未払費用とは、家賃や利息のように「期間に応じて少しずつ発生するサービス」のうち、もう使ったのにまだ払っていない経過分を、費用として計上しておく負債科目のことです。
ざっくり言うと、「契約が続いていて、使った分だけ自動でたまっていく後払い」です。たとえば、毎月末締めの保守料を翌月に払う場合、月末時点では「今月使った分」がもう発生しています。これを当月の費用として記録しておくのが未払費用です。

経理の現場ではどこで使う?
未払費用は、月をまたいで使い続けるサービスの「経過分」を整える場面で出てきます。
- 家賃・地代を後払い(翌月払い)にしているとき
- 借入金の利息が、まだ支払期日前だが日数分発生しているとき
- 保守料・リース料・水道光熱費などを後でまとめて払うとき
- 月次決算や決算で「今月使った分」を正しく利益に反映させたいとき
会計ソフトの「未払費用」の残高を見れば、「使ったのにまだ払っていない経過分の合計」が分かります。
なぜ大事なのか
未払費用を計上しておくと、その月の利益が正しい姿で出ます。費用は「払った月」ではなく「使った月」に乗せるのが会計の基本的な考え方(発生主義)で、これを守らないと、支払った月だけ費用がドンと増え、それ以外の月は実態より利益が良く見えてしまいます。月ごとの数字を比べたいひとり経理ほど、この調整が効いてきます。
具体例で見る
たとえば、3月20日から4月19日が対象期間の保守料が30,000円で、支払いは4月末だとします。3月末で決算や月次を締めるとき、3月分(3月20日〜31日のおよそ12日分)はもう発生しています。
- 月末時点:その経過分を費用として計上し、同額を未払費用として負債に立てる
- 翌月、実際に支払った時点:未払費用を取り崩し、普通預金が減る
こうすると、3月の費用に「3月に使った分」がきちんと乗ります。日数での按分は、最新の契約内容や顧問税理士の方針に合わせて決めると安心です。
つまり現場では?
未払費用を見るということは、「月をまたいで使っているサービスのうち、今月分はいくら発生しているか」を確認し、その月に乗せておく作業です。これをやると、月次決算の利益が実態に近づきます。
知らないとどう困る?
未払費用を計上しないと、費用が「払った月」に偏り、月ごとの利益がガタガタになります。「先月は黒字、今月は急に赤字」のように見え、原因が分からず判断を誤りがちです。決算をまたぐ場合は、利益や税額の見え方にも影響します。
よくある勘違い
- 未払費用と未払金は同じもの、と思われがちですが、分け方があります。金額や支払先が確定した単発の後払いは未払金、家賃や利息のように期間に応じて少しずつ発生するものは未払費用、が基本です。
- 「請求書が来ていないから計上しなくていい」と考えがちですが、請求の有無ではなく「もう使ったかどうか」で判断します。
- 翌月に払ったら終わり、ではありません。計上した未払費用は、支払った時点できちんと取り崩す必要があります。
明日やるならこれ
毎月決まって払っている家賃・利息・保守料などの中から1つだけ選び、「今月使った分はもう発生していないか」を確かめてみましょう。月をまたぐものが見つかれば、それが未払費用の対象です。
ひとことで言うと
未払費用とは、期間に応じて発生し、まだ払っていない「経過分の後払い」を計上する負債科目です。





